妊娠したいと思ったら


赤ちゃんを望んでいるご夫婦が、避妊をせずに夫婦生活を続けていると、1年以内に約80%、2年以内には約90%の方が妊娠すると言われています。けれども、10組に1組のご夫婦は、なかなか妊娠に至らない「不妊症」と診断されることがあります。不妊症とは、1年間、避妊せずに妊娠を試みても妊娠しない状態のことをいいます。年齢を重ねるにつれて妊娠のしやすさが少しずつ変わってくるため、女性が35歳以上の場合は、半年を目安に一度ご相談いただくことをおすすめしています。 当院では、初期の検査からタイミング法まで対応しており、まずはご自身の身体を知ることから始めたいという方のご相談も受け付けしています。また、妊娠がなかなか成立しない場合は、医師とご相談の上、ステップアップした治療を受けていただけるよう連携している医療機関をご紹介いたします。
検査について
妊娠や出産の妨げとなる可能性がある病気や、妊娠によって悪化する可能性がある病気、流産の原因となる病気について、事前に確認することが大切です。
血液検査
- ホルモン検査(LH・FSH・E2・PRL)
- 貧血検査(鉄、フェリチン)
- 甲状腺検査(バセドウ病、橋本病、潜在性甲状腺機能低下症など)
- 糖尿病検査
- 抗ミュラー管ホルモン(AMH)検査
- 抗精子抗体検査
- ビタミンD、亜鉛
超音波検査
- 子宮筋腫の有無
- 子宮内膜ポリープの有無
- 卵巣のう腫の有無
タイミング法について
タイミング法とは、最も妊娠しやすい時期(排卵日)を予測し、その前後で性交渉する方法です。排卵日は、超音波検査や尿中のホルモン値などから医師が予測します。一般的な検査で、自発的な排卵があり、精液検査でも問題がみられない場合は、まずこの方法から試していくことが多いです。なお、ご自身で排卵日を予測しているつもりでも、実際とはずれているケースも少なくありません。特に生理不順の方は、正確な排卵日を把握するのが難しいこともあります。もし自己流でタイミング法を続けていてもなかなか成果が出ない場合は、無理に続けず、ぜひ一度ご相談ください。タイミング法の流れについては以下の通りです。
01排卵日を予測する


基礎体温の測定
タイミング法の基本は、排卵日を予測し、その前後に性交渉をすることです。まず、自分の生理サイクルを把握しましょう。排卵日は、基礎体温が「低温期」から「高温期」へ移るタイミングで起こることが多く、黄体の寿命が約14日であるため、生理周期が28日の方なら14日目あたりが排卵の目安になります。基礎体温を毎日測ることで、排卵のリズムがわかるようになります。3か月ほど継続すると、自分の周期がつかめてきます。測定は、婦人体温計を使って朝起きてすぐ、舌の下で測るのがポイントです。カレンダーやアプリで記録しておくのがおすすめです。なお、受診に際して基礎体温の測定は必須ではありません。
02より正確な排卵日の確認

超音波検査・尿検査
排卵が近づくと卵胞(卵子の入った袋)が大きくなります。経腟超音波検査でその大きさを測定し、卵胞の直径が18〜22mmになると排卵が近いと予測できます。また、排卵が近づくと、頸管粘液(子宮の入口の粘液)が透明でよく伸びる状態になり、精子を受け入れやすくなります。さらに、尿検査で調べる黄体形成ホルモン(LH)も、排卵の16時間ほど前にピークを迎えるため、重要な目安となります。
03性交渉のタイミングを合わせる
妊娠の確率を上げるには、排卵の「2日前」から「当日」にかけての性交渉が理想的です。
卵子の寿命は排卵後約24時間と短いため、精子が先に卵管で待っている状態をつくるのがベスト。排卵の翌日でも妊娠の可能性はありますが、妊娠率は低下します。また、あまり「この日しかダメ」と意識しすぎると、男性の緊張やストレスによって性機能に影響が出ることもあります。性交の回数が多いほど、女性のホルモンバランスも整いやすく、男性も新鮮な精子を維持できます。
04妊娠の成立
妊娠しているかどうかは、妊娠4週目に尿や血液中の「β-hCG」というホルモンで判定します。妊娠5週目になると、子宮内に胎嚢(赤ちゃんの袋)が見えるようになり、「臨床的妊娠」と呼ばれる状態になります。その後、6〜7週で心拍が確認できるようになり、8〜10週ごろを目安に出産予定日を決定し、ご希望の産科施設へご紹介いたします。
タイミング法の
成功率を上げるために
以下のようなサポートをすることもあります。
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卵胞の育ちが悪い場合:排卵誘発剤を使用
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排卵が起こっていない場合:hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)注射を使用
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子宮内膜が薄い場合:漢方薬やビタミン剤を使用
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原因不明の不妊の場合:排卵誘発剤や漢方薬で妊娠率アップをめざします
ステップアップの目安
1回の生理周期あたりの妊娠率は約5%と言われていますが、回数を重ねることで可能性は上がります。
- 6か月続けると約50%が妊娠
- 2年続けても妊娠率は60%前後で頭打ち
つまり、半年~1年タイミング法を続けても妊娠に至らない場合は、次のステップ(排卵誘発・人工授精など)への移行が推奨されます。なお、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の結果や年齢によっては、もっと早くステップアップを提案することもあります。その際は、専門の医療機関を紹介いたします。
タイミング法の費用について
2022年から不妊治療に保険が適用されるようになったことで、保険診療を行う医療機関では、タイミング法も「一般不妊治療管理料」として3か月に1回750円(自己負担3割の場合)で受けられるようになりました。ただし、通院回数やお薬の使用量、実施する検査や治療内容などはお一人おひとり異なるため、費用も人によって変わってきます。診療費の自己負担が発生するケースもあるため、あくまで目安としてご理解ください。ご不明な点は、いつでもスタッフまでお気軽にご相談ください。

