ミレーナについて

ミレーナは、約3cmのT字型をしたプラスチック製の避妊具で、子宮内に挿入して使用します。この避妊具は、黄体ホルモンの一種であるレボノルゲストレルという女性ホルモンを5年間にわたり徐々に放出することで、避妊効果を持続的に発揮します。したがって、避妊法の中では最も効果的な方法の1つとして認められています。さらに、このホルモンは月経困難症や過多月経にも効果があり、これらの治療薬として保険適用されています。
ミレーナ挿入の流れ
01ミレーナを挿入する前の検査
ミレーナ挿入前に行う検査
ミレーナを安全に使うため、事前にいくつかの検査を行います。
- 病歴や出産歴などの問診
- 妊娠していないかの確認
- 子宮や卵巣の状態を調べる検査
- 性感染症の有無を調べる検査
以下にあてはまる方は、ミレーナの使用ができない場合があります。
- 現在妊娠中、または妊娠の可能性がある方
- ミレーナに含まれるホルモン(レボノルゲストレル)にアレルギーのある方
- 性感染症に感染している方
- 子宮内膜炎や卵管炎など、骨盤内の炎症がある方
- 子宮に奇形や大きな筋腫など、形の異常がある方
- 子宮がんや、黄体ホルモンの影響を受ける腫瘍がある方
02ミレーナの挿入の方法
生理が始まってから7日以内、特に経血が減ってくる4〜7日目が最適です。タイミングが合わない場合は、医師と相談しましょう。挿入は専用の器具を使って行い、時間は約5分程度です。出産経験のある方は痛みが少ないことが多いですが、未経験の方や帝王切開の方は、やや強い痛みを感じることもあります。
03ミレーナ挿入後の過ごし方と注意点
ミレーナ挿入後の副作用
挿入後しばらくは、身体がホルモンに慣れるまで不正出血が続くことがあります。これには個人差があり、1ヶ月程度で落ち着く方もいれば、半年ほどかかる場合もあります。この間、経血量が減ったり、生理痛が軽くなったりする方も多いです。まれに、卵巣嚢腫破裂、子宮外妊娠、骨盤内炎症(PID)、子宮穿孔などが発生することがあります。つらい症状が続いたり、出血がひどいときは、すぐにご相談ください。
04ミレーナ挿入後の定期検査・交換時期
ミレーナが正しい位置にあるかどうかを確認するため、挿入から3ヶ月後、1年後と定期的に超音波検査を行います。順調であれば、その後は年に1回の検査が目安です。子宮頸がん検診とあわせて受けるのもおすすめです。なお、ミレーナは5年間で交換が必要です。交換時期を忘れないようにしましょう。
ミレーナの費用
保険診療、自費診療ともに初診料または再診料がかかります。
保険診療の場合
ミレーナは、月経困難症、過多月経では保険適応になります。
| 料金(税込) | |
|---|---|
| ミレーナ挿入 (3割負担の場合) |
約11,000円 |
自費診療の場合
| 料金(税込) | |
|---|---|
| ミレーナ挿入(超音波検査代込) | 45,000円 |
| ミレーナ抜去(超音波検査代込) | 5,000円 |
ミレーナのよくある質問
ミレーナとピルの違いはなんですか?
ピルは、生理痛や出血量を抑えるだけでなく、生理周期を整えたり、生理前のイライラや不調(PMS)を和らげる効果があります。そのため、「生理のタイミングを自分でコントロールしたい」「生理前の不調がつらい」という方にはピルが向いています。また、子宮内膜症による卵巣の腫れや子宮の肥厚がある場合には、ミレーナでは病変が小さくなりにくいため、ピルやホルモン療法の方が適していることもあります。
ミレーナは、ピルが使えない方(40歳代の方、血栓症リスクが高い方、BMIが高い、喫煙者、高血圧や脂質異常がある方など)に適しています。また、「毎日決まった時間に薬を飲むのが苦手」「飲み忘れが多い」という方にとっても、ミレーナは一度挿入すれば長期間効果が続くため、手間が少なく安心です。加えて、ミレーナは挿入時に1万円ほどの費用がかかりますが、効果が5年間続くため、月あたりの費用はピルの約10分の1程度と経済的です。
ミレーナをつけていても妊娠することはありますか?
ミレーナは、黄体ホルモンの一種であるレボノルゲストレルというホルモンを放出し、受精卵の着床を防ぎ、精子が子宮に侵入するのを妨げます。具体的には、レボノルゲストレルは子宮内膜を薄くするだけでなく、子宮入口の粘液を変化させて精子が通りにくい状態を作ります。このため、非常に高い避妊効果を発揮します。使用後1年以内に妊娠する確率は、コンドームが2%、低用量ピルが0.3%に対し、ミレーナは0.2%と最も低いリスクとされています。ただし、器具がずれたり外れたりすることがあるため、妊娠のリスクが完全にゼロになるわけではありません。まれに、子宮外妊娠が発生することもあります。
もしミレーナ使用中に妊娠が判明した場合は、すぐに産婦人科を受診することが必要です。医師の指示に従い、ミレーナを早期に取り外すことが推奨されます。放置すると、流産や感染症のリスクが増すため、早期対応が重要です。
ミレーナは更年期障害にも効果はありますか?
ミレーナだけで更年期の不調を改善することは難しいですが、ホルモン補充療法(HRT)と組み合わせることで効果が期待できます。更年期の症状は、女性ホルモン(特にエストロゲン)の減少によって起こるため、エストロゲンを補う治療が行われます。このとき、エストロゲン単独の補充では、子宮内膜増殖作用(子宮体がんのリスクなど)があるため、プロゲスチンも必要です。ミレーナはプロゲスチンを子宮内に届ける働きがあるため、追加でプロゲスチンを飲む必要がなくなることがあります。
ミレーナは痛くないですか?
ミレーナが適切な位置に挿入されていれば、通常は痛みを感じることはありません。しかし、生理以外のタイミングで腹痛が続く場合、位置のずれや子宮内での感染、炎症が原因となっている可能性があるため、すぐに受診することが勧められます。さらに、子宮筋腫や子宮腺筋症がある場合、子宮の形状が変わり、ミレーナが不安定になったり外れたりするリスクが増します。出血が一時的に減った後、再度増えた場合は、ミレーナの位置がずれている兆候かもしれません。その際も、速やかに受診することが重要です。
ミレーナは男性にわかりますか?
ミレーナを装着しても、通常、男性が性交渉中に何らかの不快感を覚えることはありません。しかし、女性側に痛みが生じる場合、ミレーナがずれている恐れがあります。その場合は、性交渉を避けて医師に相談することが必要です。

